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新型コロナウイルスの検査には複数の種類があり、名前も似ているので混乱している方も多いと思います。私なりにかみ砕いて平易にお伝えしたいと思っています。(2023年1月一部修正)
「1」はかかりつけ医などが行うものです。(ただし、自費は除く)
「2」は医療機関で行って15分程度で判明するものですが、PCR検査よりは精度が劣ります。
「3」は主に過去に罹患したかどうかを調べる検査となります。(2023年1月 当院では行っていません。)
1 PCR(Polymerase Chain Reaction)検査
最も確実な検査方法です。研究所や自施設で行い、専門技術が必要です。感度は70%前後とされていて、精度は高くありません。
ウイルスの遺伝子を増幅して判定するので、現在、罹患しているかどうかをみる検査です。
検査できる場所が限定されていることと、結果までに時間がかかってしまうのが欠点です。
2 抗原検査
PCR検査は時間がかかるのに対して、簡易・簡便に行えます。
こちらも現在、罹患しているかどうかを見る検査です。
PCR検査に比べてウイルス量が必要なため偽陰性が多くなると言われています。
3 抗体検査(2023年1月 当院では行っていません。)
主にコロナウイルスにすでにかかったかどうか、を見る検査となります。
指先などから血液1-2滴を採取して行います。
15-20分で結果がでます。
発症後1-2週で上昇するIgMと免疫獲得の指標となるIgGを測定します。
麻疹、風疹、水痘などと違って明確な判断基準がないので結果の判断には注意が必要です。
① IgM陰性(ー) IgG陰性(ー):未感染となります。
② IgM陽性(+) IgG陰性(ー)
③ IgM陽性(+) IgG陽性(+)
②③はいずれも現在罹患しているか、近いうちに罹患していたことを示唆します。
②であれば2週間は安静にして欲しいです。
症状が出てくるようであればかかりつけへの受診をお勧めします。
④ IgM陰性(ー) IgG陽性(+):既感染となります。
ただし、終生免疫ではなく、第2波への保証もできません。
例えば、配偶者が①で自分が④だった場合、買い物に行くのは自分が望ましいのかもしれません。
④だから都心に遊びに行く、自由に行動する、は間違っていると思います。
そのあたりの検査の限界やコロナウイルスへの理解を踏まえて行動することが大切になります。
*2023年1月追記:過去にはPCR検査や抗原検査が一部の医療機関や医師会でのみ限定されて行われていたので、抗体検査の意義がありました。
現在はPCR検査や抗原検査を行うことができる医療機関は多く、抗体検査の有用性は少なくなっていると思われます。
当院でも抗体検査は行っておりません。
周知しておらず、ご迷惑をおかけしました。申し訳ございません。